従業員10人未満の‘36協定‘‘就業規則’

■従業員が10人未満だから「36協定はいらない」→誤り

■従業員が10人未満だから「就業規則の作成・届出義務はない」→法律上は正しい

  時間外労働(残業、休日出勤)をさせるのであれば、従業員の規模に関わりなく36協定の締結・届出が必要です。

 一方、就業規則は従業員が10人未満であれば、労働基準法上は作成しなくても良いこととなっています。でも弊所では、作成すべき考えています。就業規則の目的は、会社のルールの明確化による労使トラブル防止リスク回避業績向上です。労務に関するトラブルやモチベーションの低下は、ルールがあいまいなために起るケースが多いものです。

 少し専門的な話になってしまいますが、

労働契約法第7条では、次のように定められています

 「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労

条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約

 

の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない」

 

そして、行政通達(平20.1.23基発第0123004号)には、

 「法第7条の「就業規則」とは、労働者が就業上遵守すべき規律及び労働条件に関する具体的細目について定めた規則類の総称をいい、労働基準法第89条の「就業規則」と同様であるが、法第7条の「就業規則」には、常時10人以上労働者を使用する使用者以外の使用者が作成する労働基準法第89条では義務付けられていない就業規則も含まれるものであること。」とあります。

 

つまり、従業員10人未満であっても‘就業規則’を作って労働者に周知すれば10人以上の会社が作成・届出した就業規則と同様の効力が発生します

 「就業規則は作ってないけど、‘労働契約書’はしっかりとしたものを交わしている」という会社さんもあろうかと思います。ただ、通常交わされる‘労働契約書’には必要最低限の労働条件しか記されていないのが現状。

 従業員が10人未満であっても、もう一歩踏み込んで、‘就業規則’を作成されることをお勧めします。そうは、言っても大きな会社と同じように何十条も詳細に定める必要はありません

 

 弊所では、最低限必要なルールや社長の想いを伝えることを主眼とした‘就業規則’の作成をアドバイスします。